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第29回てきすとぽい杯

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 今回も参加しましたてきすとぽい杯。
 1時間15分の即興小説企画、今回のお題は「死に水」「マザーグース」「生足」の三題でした。
 かろうじて「ジャックと生足」という作品を投稿。いただいたご感想によると「フェティシズム、ここに極まれりと言った感じがする」作品だそうです。
 やっぱり即興は楽しいなぁ、と思う次第でした。
 短いですがこれにて。ではまた。
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アンソロジー『おなかがすいて眠れぬ夜に』雑感集(1/3)

[1/3]
[2/3](準備中)
[3/3](準備中)

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 小伏も参加しました飯テロ爆弾アンソロジー、『おなかがすいて眠れぬ夜に』が無事届きました! 1ページに1作品の掌編作品が載ったコンパクトなレイアウトで、読みやすさ満点のアンソロジー! 丸角加工まで施された優れものの爆弾です。
 あまりに素敵な出来、これは感想をしたためねばなりますまい。
 ということで各作品への個人的な雑感集です。
 ネタバレを含むので未読の方はご注意を!

 絶対これ書いてておなかすく。


○氷砂糖さま「焼肉食べ放題、税込一〇八〇円」
 なんだこのタイトルは。おなかがすくではないか!
 そしてそれを優に超えるほど本文が味覚を刺激してきました。焼肉を取り皿に取るところから始まり、熱せられた焼き網に肉が置かれた瞬間。肉を網から取り上げタレにつけた瞬間、白米に載せた瞬間! 手の動きが実にスムーズに描かれていて、これはもうお腹が空くより他ありませんでした。
 とにかくその情景を想起させる擬音表現が素晴らしい。これでもかというほど想像を幇助させます。鬼です。また「肉を取ってタレにワンバウンド、飯にバウンド、あむり。」という一文が特に好きでした。先ほども言ったように箸の流れがスムーズですし、「バウンド」という表現が軽快ですね。
 また、最後まで焼肉を食べる行動を描くことに従事しながら、最後の段落。このタイミングで主人公が焼肉を食べている背景を知り、共感を得るのです。ここまで描かれた焼肉は自分のことでももちろんありえるのだなと。自分も焼肉食べたいなと。
 焼肉という王道の素材も相まって、実にアンソロジーのさきがけを務めるに相応しい作品だったと思います。
 作者コメントに笑ってしまったのはここだけの話。
 ごちそうさまでした!


○西乃まりもさま「プライドオブ関西」
 関西の飯テロ魂。道頓堀のたこ焼き! 「本場の味」を演出するために、つい最近越してきた人の視点で描かれたのは堅実ながら上手いと思いました。前ページの氷砂糖さまの「焼肉食べ放題~」が食べる行為を徹底的に描いているのに対し、こちらは食べたときの人の反応で味を引き出そうとされている。このあたりの差異にそれぞれの書き味が出ているなぁと。
 火傷に注意。
 ごちそうさまでした!


○明巣さま「象徴」
 これ、すごく好きです。構成が上手い。
 一段落目ではフランスパンにトマトを載せたりチーズをかけて焼いたものを食べる描写。この描写自体も素晴らしいのですが、この作品はそれが肝ではないのですね。
 二段落目に入ると「君が作ってくれたものが一番美味しい。」君が作ってくれたバケットのピザトーストを、君と一緒に食べるのが一番好きなのだと主人公は言います。食べ物の描写もさることながら、「君と」いることが主人公の喜びなのであり、そして食べる行為がその象徴となっているのですね。
 食べ物に焦点を定めた一段落目から、主人公「僕」と「君」との愛の物語にフォーカスを変える。たった300文字程度の作品なのにカメラワークが流動的で、綺麗な構成でした。
 また、食べ物の選定もこの作品の上手いところだと思います。描かれているのは基本的にバケットに食材を載せてトーストで焼くだけの、お手軽な料理です。あまり作る人の腕前が影響しない食べ方だと思います。そういう、「君」が格別お料理上手な人だというノイズを持たせないようにすることで、「君」と食べるから美味しいんだ、と言う点を強調した。料理工程がほとんどない食べ物である分、作品の流れにまったく澱ませない。そのうえですごく美味しそう(笑)。とても上手い選出だなぁと。
 素敵な作品でした。ごちそうさまでした!


○綾桜さま「戦いの元はパステルカラー」
 人は争いを繰り返すんだなぁって。
 二行目から四行目にかけてが非常におなかを刺激しました。夏のお供をこうまで美味しそうに描くとは、脱帽です。そして色付きの麺を取ろうとすると起こってしまう戦争。ここまで含めて美味しい風景でした。
 ごちそうさまでした!


○望月あんさま「桃の体温」
 失礼ながら、ここまで来ると筆名を拝見するだけでもお腹が空いてしまうのでした……。こしあん派もつぶあん派も仲良くしよう。
 夏風邪を引いた主人公のために、剥いてもらった白桃。そのわずかなぬるさというのが、この作品の肝ですね。看病してもらう優しさを、「桃の体温」として食していく。面白い視点でした。
 ごちそうさまでした!


○遠藤ヒツジさま「咀嚼された世界」
 素晴らしい文体。特に最初の三行の流麗さには舌を巻きました。これでもかと美味しそうなワードが、読点を挟むことなくどっと流れるように舞い込んでくる。リズムも小刻みで読みやすく、ストレスを感じさせずに、ただただ食欲だけを刺激してくる。文章力の高さが垣間見えます。
 酒の勢いでどうでもいいことをつらつらと考える部分も読んでいて面白いです。混沌とした胃を世界と表現し神の話にまで持っていく。酒の席での哲学は実に笑えますね。
 終始一貫した酒文体。非常に読ませる文体でした。ごちそうさまでした!


○とりのささみさま「クロワッサン」
 失礼ながら、筆名を拝見するだけでもお腹が空いてしまうのでした……(二回目)。
 上手い食べ物は種さえも超える! クロワッサンの描写がもう……お腹が……。「表面の焦げた鎧に隠された小麦の甘味と適度な塩気が私を刺激していく。」という文が特に好きです。これ、実際に食べながらじゃないと書けんでしょ、と思いながら読んでいました。特に「適度な塩気」の部分とかですね。
「何という食い物なのだろうか」というラストから、タイトルを「クロワッサン」とつけるのは流れが綺麗です。
 ごちそうさまでした!


○トオノキョウジさま「春菊天そばと石油」
 一段落目と二段落目の落差が笑えますね。文字通り急に落としてくるので、不意打ちを食らいました。
 最初の春菊天そばのくだりは実に食欲を刺激します。具体的な値段と高田馬場という舞台も相まって、現実味あるどこか懐かしい雰囲気を醸し出していたと思えば、石油王。「とかぬかしやがって返せよ!」の落差ですね。
 ごちそうさまでした!


○堺屋皆人さま「或る貧乏学生の晩餐」
 初っ端からダッシュしていて良いテンションでした。珍しい食べ物を手に入れたときとか、確かにこんな感じかもしれません。
 中間の食べ物の描写パートもハイテンションなまま進行されるので、より一層主人公の興奮が伝わってきておなかがすきました。その描写自体も、香り→見た目→味覚と段階的に書かれていて、ハイテンションでありながらも計算されて書かれているようでした。
 オチも決まってて良い。
 ごちそうさまでした!


○青銭兵六さま「ご飯が炊けたよ」
 一文ごとに改行された文体が、視覚的にも美しさを感じます。特に最後の〈ごちそうさま、否、お終い〉が下揃えになっているので、レイアウトにメリハリがありますよね。レイアウトが素晴らしいこのアンソロジーの中でも、特に綺麗な1ページだと思います。見た目がポエムのようなので、何度も読み返すことに掌編作品の中でも特に秀でてストレスを感じさせません。
 肝腎の内容もまた、素晴らしい! おなかがすく! この作品でひとつめのカテゴリ『たっぷりがっつりたべたいときに』収録作は最後となるのですが、王道の焼肉で始まったカテゴリだけに、ラストも王道! その名も焼きたてご飯! この辺りは作者様というより主催者様の手腕なのでしょうが、素晴らしい構成です。
 ご飯の炊き方にもこだわりが感じられます。なにせ「小さな土鍋」なのですから! 極上のご飯を提供してやろうという作者の意地悪な顔が浮かびます。昨今炊飯器でこと足らせてしまうところを、土鍋! 土鍋ですよ皆さん! 蓋を開けたときの薫りは普通のものではないでしょう。「宝石にも優る」とはまさに言い得た表現です。
「胃袋を締め上げ」る味への期待の中で、「しゃもじを入れ割ると、一層の薫りが鼻腔をつく」。ここも素晴らしい。日常的に嗅いでいるにおいであるだけに、その一層格別なにおいが容易に想像でき、おなかがすくわけです。これには「頬が緩む」より他ありません。
 そして茶碗に盛られた白米は、おかずもなしに口へと運ばれます。簡潔な描写が一層に想像を掻き立てます。そこに加えて漬物と唐辛子味噌。箸の手はとまらず、最後の一文のように、どんどん食材を費やしていくわけです。
 主役は単なるお米だというのに、これほどまでに贅沢な食事もそうそうありません。王道の風格をこれまでもかと注ぎ込んだ、素晴らしい作品でした。
 ごちそうさまでした!


○マンノンさま「謎の料理ブルブル」
 タイトル→「ブルブル?」→「じゃなくてブルグル」の流れが少し好きです。タイトルを「ブルグル」ではなく「ブルブル」にされたあたり、読者の目の動きが把握されているような感覚。
 ブルグルというものを初めて知りましたが、試してみたくなりました。片付けをしつつも、弟の料理に期待しているお姉さんが愛らしいですね。
 ブルグルを画像検索してさらにおなかがすくオプション付き。
 ごちそうさまでした!


○まるた曜子さま「週1の儀式」
 下拵えを読んでいるだけなのに、なんだこの空腹感は……。二段落にわたって繰り広げられた下拵えの下拵えが、最後の段落で一気に味覚をもって迎え撃ってきました。「根菜果菜菜物に少々のお肉。味替え実験調味料」この部分の怒涛さが恐ろしい。
 短いですがこれにて。ごちそうさまでした! いやむしろいただきます!


○柚香さま「太陽のお茶」
 筆名が……(三回目)。
 これまでの作品とは一転、敬体の文章で綴られ、世界観も独特ですね。お茶を差し出すおばあさんはまるで魔女のようです。不思議な世界観のなかで繰り広げられる、「サン・ティー」の作り方。作者コメントによると実際に作れるそうなので、試してみたいです。太陽の味を味わってみたい。
 そしてこの世界観を如実に表しているのが、「6月の子供」。梅雨が明けて太陽が雲から顔を出したような時の流れが、食卓で短い時間で進行されていく世界観。魔法を感じます。
 ごちそうさまでした!


○服部匠さま「カラメル・ノックは誰を呼ぶのか」
 わーいお菓子つくりだ! それもプリンだプリン! と(主に胃が)大はしゃぎになりながら読ませていただきました。本格的な作り方に大興奮です。ぜひ食べてみたいですね。
 そして主人公がプリンを作っている背景には、菓子職人の友人の面影が。料理工程の叙述もさることながら、人物関係のエッセンスが味を引き立てていました。
 ごちそうさまでした!


○せらひかりさま「おやつの時間」
 こんな先生のいる学校に通いたかった……。「頼まれたので」とさらっと軽い動機でクッキーを焼いているのが、印象的でした。日常的にお菓子つくりをしているんだなぁという感じを受けます。
 先ほども申し上げたように、学校という舞台が良いですね。調理室も充実しており生徒たちの喧騒も聞こえ。作者様も仰っているように牧歌的な雰囲気がありました。
 しかもクッキーを焼いている傍では既にケーキが焼き上がりそう。おやつのパンチが激しいです。
 ごちそうさまでした!


○水城翼さま「元気を出してほしいから」
 兄の台詞が好きです。疲れたときは甘いものに限りますよね。琥珀色の紅茶に牛乳が入って不透明になる流れ、良いですね。蜂蜜で甘さを整えたりと、「楽なんだもの」と言っている割には兄のために手間暇かけているなぁと。タイトルの通りですね。兄想いの妹さんです。
「茶葉が容器にぶつかってチリチリと鳴る」という表現がお気に入りです。
 ごちそうさまでした!



2/3に続きます。

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[1/3]
[2/3](準備中)
[3/3](準備中)

第2回テキレボ!

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 前の記事で告知した《俺のグルメFESTIVALアンソロジー》『おなかがすいて眠れぬ夜に』の頒布がついに本日10月10日におこなわれます! 48名が腕によりをかけた! グルメが詰まった! 飯テロの極致! ぜひぜひお読みになってください。
 
 2015年10月10日(土) Text-Revolutions 第2回
 都立産業貿易センター台東館
 価格は400円だそうです。
→詳細はこちら(主催者様の企画サイトに飛びます)。

 小伏は本日も日常(遠い目)を過ごさなくてはならないため、会場には赴けないのが残念なところですが、その思いは作品に託しました! アンソロジーに「星のレストラン」という掌編で参加しています。そのほか沢山のグルメを! ぜひご堪能ください。

 それでは。
 作品ページでお会いしましょう。

《俺のグルメFESTIVAL》WEB企画+アンソロジー参加しました

※月間活動まとめは当分お休みさせていただきます。ご了承ください。
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 7月から先日までの約3か月間、ツイッターを多いに賑わせたSS企画、《俺のグルメFESTIVAL》に参加しました。
「俺のグルメ」というテーマで300文字以内の掌編を募集し、感想を送り合いながらわいわいしましょうという企画。参加者それぞれの美味しそうな食卓風景や魅惑的なグルメのお供に、毎度お腹をぐぎゅるぎゅる鳴らされた企画でした。
 自分は「至福の時間」という作品を滑り込みで投稿しました。Win-Winで至福の時間を得られる作品です。ご感想もたくさんいただきまして、久しぶりに企画の熱量に触れ非常に楽しい時間を得ることができました。ありがとうございました。

 また、この企画はアンソロジーも発行されるそうです!
 なんて敏腕な主催者なんだ。もう入らないよ……(別腹を作りながら)。
こちら→SS企画《俺のグルメFESTIVAL》--アンソロジー発行情報
 こちらにも「星のレストラン」という掌編で参加させていただいています。
 総勢48名による満腹間違いなしのアンソロジー、初回発行は10月10日、
 Text-Revolutions第2回(都立産業貿易センター台東館)だそうです。

 ぜひお手に取ってみてください。
 ではでは。よろしくお願いします。

埃城:作品ページURL変更のお知らせ

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 当個人サイト「埃城」に関して、重要なお知らせです。
 今までは作品掲載ページは全てtextsという名前のフォルダに含まれていたのですが、ただURLを長くしているだけでいちいち階層をひとつ深くする意味はないと判断し、これを削除しました。

 ですので例えば「ム」の場合、以前までは
http://hokorijou.web.fc2.com/texts/longs/m/m.html
 となっていたものが、今回からは
http://hokorijou.web.fc2.com/longs/m/m.html
 に変わっています。

 また、この変更に乗じてshortshortsフォルダをssフォルダに、supershortshortsフォルダをsssフォルダに名前を変更しました。
http://hokorijou.web.fc2.com/texts/shortshorts/tukiyo.html
 だった「月よ」は、
http://hokorijou.web.fc2.com/ss/tukiyo.html
 となっています。短くなってスッキリ!

 作品ページをブックマークしていた方は、お手数ですが再度ブックマークしなおしていただけると幸いです。
 階層をひとつ浅くしただけではありますが、作業もだいぶ効率化されたように思います。(執筆が疎かにならない程度に)よりサイト更新に精を出していく所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
 ではでは。

2015年6月活動まとめ

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埃城更新情報
 6月は盛りだくさん。

・掲載している作品の中から、個人的に気に入っている作品や比較的評価の高かった作品をまとめたおすすめページを作りました。なにを読めばいいのかわからなかったり、初めてサイトを訪問してくださった方が安心して読めるようにという配慮です。これで固定読者増加間違いなし!

・長編「ぼくの兄貴は転がって」公開しました。初稿を2012年6月に、完成稿を2013年1月に執筆した作品。h2vR.jpというサイトが公開しているJavascriptを使用して、本文を縦書きにしてみました。思ったよりもしっかりと縦書きになっていて面白い限りです。
 おそらく現在書きあがっている自分の長編の中ではもっとも手堅い作品だと思います。視点の置き方に実験的な要素はありますが、階段をころげて意識が入れ替わるというあの王道的なプロットを、あくまで王道の展開で書いています。それにしてもやはり書いた内容は忘れるもので、この機に(長いので)一部分だけ読み返してみたところ、ある展開に「ほへえこんな伏線があったのか」と感心してしまいました。数年前の作品は他人が書いた読み物として純粋に楽しめるので、そういう点では今まで書いていて良かったなと思わせてくれる作品です。

・短編「たったひとつのぼくを求めて」公開しました。去年の5月に書いた作品です。書いたときはあまり気に入らない出来だった覚えがあるのですが、読み返してみると存外に面白くて困惑したり。この作者、ういなさんの好みをよくわかっているようです。

その他に、
りゅうさんのサイトへリンクを貼らせていただきました。
・アンソロジーのお知らせをトップページに載せるにあたって、見た目が悪いので連載中のお知らせを撤去しました。おすすめページができたので、その意味でもトップに作品のリンクを入れるのは邪魔だと思っての決断です。
・主催企画一覧を撤去しました。
・サイトデザインをブラッシュアップしました。
・「Aア」を「Aア」に改題しました(Aを半角に)。


■めっちゃ! 甘美なテンミリ祭り!
(ブログ記事「めっちゃ! 甘美なテンミリ祭り!」2015.06.27)
「皆で集まって甘美リして、」「そこで出た文をお題にして小説とかイラストとか投稿してもらって、」「また集まって感想会しよう」という3つの催しが集まって進行された企画です。この全てに参加させていただきました。

「皆で集まって甘美リして、」では、雨宮さんとペアを組み、文作りをさせていただきました。初期のルールで進行されたためか、久しい方がペアだったためか、どことなく初心に帰ったような懐かしいような雰囲気を感じ、印象的なゲームでした。実際のところはこれまでにない参加人数で、見るからに大変そうな進行でしたが。
 雨宮さんの素敵な述部の力もあって、ゲームは1位でした。ありがとうございます。

 また、そのゲームで作成された40文をお題として、「そこで出た文をお題にして小説とかイラストとか投稿してもらって、」企画が進行されます。掲示板やイラスト板にお題をもとにした作品を投稿する企画です。より取り見取りのお題の中から3つを選んで、「二人の食卓」「倒壊」と無題(陽は落ち~)の3作品を投稿しました(使用お題は上記のブログ記事参照)。

 そして3つ目の企画「また集まって感想会しよう」が甘美リ会場で開催され、こちらにも参加させていただきました。フルで参加するつもりだったのですが、急用が入ってしまい途中入室。素敵な作品がたくさん集まっていたので、一部の作品だけでも感想を言うことができて楽しかったです。リアルタイムで感想を言ったり言われたり、というのはやはり普段の感想とは一風変わった楽しみがあります。

 最終的に賞が決定し、「倒壊」が“直球賞”(お題を王道に汲み取って、ストレートに仕上げた作品)を、「二人の食卓」が銀賞をいただきました! ありがとうございます! 「倒壊」はお題の王道的な消化の仕方が、「二人の食卓」は突飛なお題を得体の知れない方向へ変えたことが評価されたようです。
 ちなみに受賞に至らなかった無題(陽は落ち~)は、個人的には一番気に入っていた作品だったのですが、上記感想会のおかげで自分では気付かなかった課題点をひとつ見つけることができました。その点でも、ありがたい企画でした。

 主催者さま、企画ありがとうございました!
 次回があればぜひまた参加したいですね。


第27回てきすとぽい杯
 前回に続けて参加させていただきました。思えば自分が即興小説にのめりこむようになったのは、この企画の第1回に参加してのことでした。とてもお世話になっている企画です。
 今回のお題は「水濡れ厳禁」。特にひねることもなく普段通りの発想で「おしまいの雨」という作品を執筆し(案の定ネタが被ったりもして)、最終的に拙作は投票ポイント5位となりました。


アンソロジー「水」
 参加表明しました。(ブログ記事「アンソロジー「水」参加します」2015.06.12)
 参加者ページに参加者全員の一言が載っていますので、ぜひご覧になってみてください。水アンソロが始まる前に、既に水大喜利が始まっているようです。


■物語について考える(草稿)
 更新しました。こちら→「不安になる文章:「は」と「が」の使い分けについて
 内容とはまったく関係なく、あるいは内容を補助するかのように、ただ読んでいるだけで不安な気分にさせる文章があると思います。要するに下手な文章です。しかし、ある程度「作文」をこなしてくると、下手な文章を書くことが下手になってきます。
 では技術的に下手を演出するにはどうすればよいか。そんなコンセプトのエッセイ第一弾です。第二弾をいつ書くかは未定。草稿なので気の向いたときに。


■ミッションのキャラ名募集
 テンミリ掲示板にスレッドを立てていました。テンミリミッションという、データ紛失以前にあった派生ゲームには、テンミリオンと同一のアイコンで異なる名前のキャラクター名が複数登場していたのですが、この特有の名前を創作に使いたく、情報提供をお願いしていたのでした。
 最終的に、おそらくすべての名前を知ることができました。おかげで創作意欲マシマシです。
 情報提供してくださった方々、ありがとうございました!


新時代(新しいテンミリショートショート集)
 6月は「錠剤」とジルバの設定資料を投稿しました。2か月ぶりの更新です。
「錠剤」は以前投稿した「罪状」と対になっている作品です。「罪状」と内容を補い合うような形にするため、「錠剤」の内容が罪状、「罪状」の内容が錠剤を指し示している一種の逆転現象を演出してみました。ここに書いちゃうくらいにはあまりキマってない演出。「錠剤」も「罪状」と同じく“額縁小説”なのですが、「罪状」とは正反対に、なるべく解釈の余地を与えないように努力しました。2か月間掌編集の更新が滞ったのはそれがなかなか上手くいかず、何度も推敲を重ねていたからです。
 また、ジルバの設定資料は二次創作成分多めに書いてみました。具体的には、ゼニスという女性との恋模様を書き加えました。ゼニスは上記テンミリミッションで出てくるアーマーの名前です。


即興二次小説
 6月は15分の制限時間で「安いフォロワー」「一人は解散」「清く正しくでこぼこの」「チラ見」を投稿しました。
「チラ見」は額縁小説にしようと躍起になるあまり、テンミリ要素を入れるのをうっかり忘れてしまいました。一次創作と見なすつもりです。


ライトレ
 久々に利用させていただき、「侍はさ」と無題(海水の中で耳かき~)の2編を投稿しました。このサイト、去年の夏頃(シフアプがダウンした頃)にある方から教えてもらったサイトで、その方の真似をして韻を踏んだ作品をいくつか投稿していた場所でした。
 実は上記「めっちゃ! 甘美なテンミリ祭り!」に無題(陽は落ち~)で投稿した作品は、その方を意識して半ば捧げるつもりで書いた作品でした。今回その企画を経て懐かしい気持ちになったので、久々に利用させていただいた次第です。


 以上です。

めっちゃ! 甘美なテンミリ祭り!

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 テンミリオンにて開催された企画。おなじみ甘美なテンミリにて作成された文をお題にして、創作作品を集い、それについて語らい賞を決めようという企画です。
 自分は「二人の食卓」・「倒壊」・無題の3作品投稿しました。使用したお題は以下の3文です。
●マゼンダ。きみはところてん。(セイン&フィンディル)
●深い深いジャングルを見下ろして。高い高い塔の上。ルファは、紅に染まる風を浴びながら、セカイの終わる時を待つ。(一般民&Ryncried)
●満月の夜にだけ元の姿に戻るテミは、野花で冠を作って、愛おしい人の、頭の上へ、(りゅう&Gamygyn)
 やはり甘美リ創作、書いていて楽しいですね! 拙作以外にもたくさんの小説作品・イラスト作品が投稿されています。明日(6月27日)夜には感想会があるようですので、ぜひいらしてください。ういなさんも急用が入らなければ行ける!はず!
 ではまた。

第27回てきすとぽい杯

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 今回も参加しました。1時間15分の即興小説企画。
 お題は「水濡れ厳禁」。「水」というワードにぴくりときながらも、どうにかアンソロ用に用意している題材は頭から除外して「おしまいの雨」という作品を執筆しました。
 他の参加者とネタが被ってしまったのが悔しいところです。

アンソロジー「水」参加します

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 アンソロジー「水」に参加します。
 その名の通り、「水」をテーマにした一次創作アンソロジーです。

 こちら→水 - アンソロジー企画

 物書き42名、絵描き25名の総勢67名が名を連ねた、
 内容物盛りだくさんで水太りするに違いないアンソロジー。
 2015年11月発行予定だそうです。お楽しみに。

 自分は小説で参加しています(当たり前)。
 数年前から書きたいと思っていた題材が、ちょうど「水」とマッチしていたので参加申請を出しました。いつものういなさんとは一味違う、完成度の高い作品を目指しますのでぜひ読んでくださいね!

 また、参加者抽選から漏れた参加申請者が多数出たため、Webサイト掲載作品としても募集する予定だそうです。アンソロジーの収録作とはなりませんが、サイトからリンクをつなぐそうなので、ご関心のある物書き/絵描きさんは瑞々しく水々しい作品を投稿されてみてはいかがでしょうか。

 ということで。よろしくお願いします。

不安になる文章:「は」と「が」の使い分けについて

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「象は鼻が長い」というフレーズ、聞いたことのある方もいらっしゃると思います。言語学者、三上章が、日本語の主語について論じられたときに使われた例文のひとつです。書籍のタイトルにもなっていますね。
 さて突然ですが、「象は鼻が長い」この文の主語はどこだと思いますか。「象は」「鼻が」の二つがあることに気付くと思います。英語と異なり、日本語は一文に主語が二つ以上あることが可能なのです。
 しかし、これらは本当に主語だと言えるでしょうか?

 副助詞である「は」は、必ずしも主語を表す助詞ではありません。「水は飲まない。酒は飲む」というフレーズがあったとして(この飲んだくれメ!)「水は」「酒は」は主語というよりも、目的語ですね。「私は水は飲まない」「私は酒は飲む」とすればより目的語らしく映ると思います。この飲んだくれめ。他にも、「バイトは行く」というフレーズがあれば、学校には行かないけどバイトには行くという学生の台詞が浮かび上がると思います。以上のように「は」は「を」「に」などの代わりとして使うことができるのです。
 それだけでなく、「は」は名詞以外にもつながることができるという性質を持っています。格助詞「が」が名詞にだけ付くのに対し、「は」は「バイトには行く」「悪くはない」「はっきりとは言えない」のように、あらゆる品詞の単語に付くことができます。従って「が」と比べて、主語であると見做せる頻度もそれだけ低くなるのです。というか言ってしまえば「は」は主語を表すものではないのです。
 さらに掘り下げてみれば、例えば「私はとんこつラーメン」という台詞があったとしましょう。ラーメン屋で注文するときに言いそうなフレーズですね。これは決して「私=とんこつラーメン」という意味ではなく、「私はとんこつラーメンを注文する」という意思表示の意味であることは、ご理解いただけると思います。この例の場合は、「は」の代わりに「が」を使って、「私がとんこつラーメン」と(注文時というよりラーメンが来たときの状況とかで)言うこともできますが、ここで使われている「は」もやはり、主語ではなく他の何かであることが窺えるでしょう。では「他の何か」とは何か。

 先に言ってしまえば、三上章はそれを〈題目〉なのだと言っています。
 再び「象は鼻が長い」を見てみましょう。
「は」を〈題目〉の役割として見ると、次のように文を分解できるのではないでしょうか。
   「象は」→題目(トピックの提示)
   「鼻が長い」→題目に対するコメント
 つまりここの「は」というものは主語ではなく、「~といえば」「~と来たら」「~に関して言えば」という、テクストのトピックのような役割なのではないか、というのです。

 この〈題目〉は、「は」を用いた単純な文でも適用させることができます。次のような文があったとしましょう。
a. 姉が料理をしている。
b. 姉は料理をしている。
 どちらも同じような文に見えますが、主格の「が」を使った単純な文であるaに対し、bは「姉に関して言えば」というトピックに対して、「料理をしている」とコメントをするという文意の流れが見られるのです。言い換えれば、bは「姉→料理をしている」と文意の中に矢印が見られるのに対し、aは「姉が料理をしている」という一文全体を一塊として捉えることができるのです。
 より文を長くすれば、その違いも分かりやすくなると思います。
a. 姉が料理をしているとき、私は昼寝をしていた。
b. 姉は料理をしているとき、私は昼寝をしていた。
 いかがでしょう。bが不自然な文になっているようには思いませんか。aが“「姉が料理をしている」とき、私は昼寝をしていた”というように、前半部が一塊になっているのに対し、bは「姉に関していえば料理をしているとき、私は昼寝をしていた」というように、「姉は」が私の部分にまで侵食してこようとしているのが窺えます。「は」が〈題目〉の役割を果たしているがために、従属節であることを無視して「姉は」が最後までかかろうとしてしまうのです。トピックなのですから、文の最後までを支配してしまうのですね。


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 大まかな「は」と「が」の違いは以上です。より詳しい説明は書籍などを読んでいただくとして、それでは以上のことを踏まえて、本題に入ります。腐っても創作論エッセイ、この違いを創作に活かさない手はありません。
「は」は〈題目〉であり、「~といえば」のように言い換えをすることが可能。この意識だけ持っていれば、校正のとき役立つことがあります。人によりますが、自分のようにたいてい初稿はとにかく書き殴るタイプの人は、一旦書きあがるまで振り返ることをしませんから、不自然な日本語を知らず知らずのままに書いていることがあります。また、分量が膨大になっていくとそれだけ文章の違和感は緩和されてしまうものですから、気づきにくくなる場合もあるでしょう。それらを論理的に見つけ出し、校正するうえでは、〈題目〉の考え方は役に立つものだと思います。

 と、それだけでなく(ここから先が一番言いたかった)、原則を知っていれば、それを崩すこともまた容易になります。従属節の主語に「は」を使うことが、〈題目〉として不自然であるのなら、あえてそのように書けば、あら簡単。不自然な文が出来上がっている。
a. 姉が料理をしているとき、私は昼寝をしていた。夢を見た。ピーマンに食べられそうになる夢だ。ピーマンは短気な奴が多い。昨日出たピーマンの肉詰め。ピーマンの部分があまりに苦いから、私は肉だけ食べたのだった。だからピーマンの奴ら、私に復讐しに来たんだ。
 この文章の、〈題目〉として使われている「は」を「が」に、従属節の「が」を「は」に変えてみます。
b. 姉は料理をしているとき、私は昼寝をしていた。夢を見た。ピーマンに食べられそうになる夢だ。ピーマンが短気な奴が多い。昨日出たピーマンの肉詰め。ピーマンの部分はあまりに苦いから、私は肉だけ食べたのだった。だからピーマンの奴ら、私に復讐しに来たんだ。
 個人差はあるでしょうが、読んでいて不安になったと思います。特に「ピーマンが短気な奴が多い」には我ながらぞわぞわきます。

 以上のように、「は」と「が」は似ているようでいて大きな違いを持っています。その違いを知り、あえてその逆を行くだけで、ある種機械的な要領で巧みな文章表現を演出することができる。
 ということで、「不安になる文章」を書くテクニックのひとつでした。
 ではまた。

管理人

小伏史央(こぶせふみお)

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