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サイコロ小説(制作過程) その2

その1← →その3

 今更ながら、36文字×36行6ページで二度のサイコロ掛けるよりも、18文字×18行18ページで、三度のサイコロを足したほうが確率的には信用度が高いんじゃないのかとか思えてきた。サイコロの目を掛けるんじゃあ、7以降の素数とか27とか出ない値があるわけだし。次回からはそうしよう。
(実験小説にエビデンスレベルを求めるのはお門違いってものさ)

「離せなくても良い頃のような何か。味という思い出せない首はおかしい。辛辣なクレーターは言った。いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。 あると思うもうまで微妙なのだ。本来動かないヒトが這い出てきた。いくら氷。二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。彼女。血のハーモニーが、手を二等分に陣取るのが好きだ。皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」

 さてさて、これを推敲するということだが。
(えっなにこの文章いみわかんない)

■文章の方向性を定める
 普段は勝手に定まっているものだが、文章には「はじまり」と「おわり」があり、またいくつかの要素がある。その一連の流れを定めておけば、推敲するうえでぶれにくくなる。文章を書き上げてからプロットを作っているような印象だろうか。

 (1)舞台を決める
 方向性を決めるうえで、まず、具体性の高い単語を探してみる。本文を見たところ、「二〇一一年」「クリスマス」というふたつの単語が、この曖昧な文章のなかでは意味の捉えやすい言葉に思う。このふたつにならって、時間的背景を「二〇一一年のクリスマス」とする。次にまた本文を見てみると、「クレーター」 という単語がある。クレーターとは「火山噴火や隕石などで環形にくぼんだ地形のこと」だ。本文には「クレーターは言った」と書かれているため、クレーターが登場できる舞台が必要かと思われる。少なくとも地面は必要だ。地球や月や火星などのように地上がある星が舞台だ。ここでは便宜的に、空間的背景を「月」 とする。したがって時間的空間的を合わせて、本文の背景は「二〇一一年クリスマスの月面」ということになる。これで舞台が決まった。

 (2)登場人物を決める 失敗
 ストーリーが進むには基本的に登場人物が必要だ。今度は本文から、登場人物となりえる単語を探す。「クレーターは言った」とあるので、おそらく「クレー ター」は登場人物だろう。地形そのものを生命体とみなすガイア的ななにかだろうか。あるいは「クレーターは現状を物語っている」というような擬人法かもしれない。「彼女」という代名詞も窺える。また、「思い出せない」「好きだ」などの主体が誰なのか、ということもある。「ヒトが這い出てきた」という叙述も見受けられる。登場人物になりえる要素が多く、そう簡単には決めがたい。

 (2)′ストーリーを決める
 登場人物を決めるにはまずストーリを決める必要があるらしい。本文から汲み取っても埒があかないため、(1)で決めた舞台をもとに、ストーリーを展開し ていく。「二〇一一年」といえば震災があげられる。また、その一週間後にはスーパームーンがあり、12月には皆既月食があった。「二〇一一年」「クリスマ ス」「月」をすべて満たしているのは、この皆既月食だろう。そこで勝手に設定を考えた。時は二〇一一年、12月。この年の3月に日本で大きな震災があり、それにつらなる災害から避難しようと日本列島を出る者があった。多くは海外へ移住するが、ことに、一部の人間は月へと避難した。月に移り住んだ人間たちは 奔走し続けながらも生活し、もうすぐ移住後はじめてのクリスマスを迎えようとしていた。彼らは地球とも連絡を続け、互いに様子を確かめ合っていたが、ある日、皆既月食が訪れる。その数分間は地球との交信が途絶え、月は孤独な星となる。そのとき、クレーターが意識を目覚めさせた。本文はその様子を描いたもの である。
 ……なとと、設定を捏ねくってみたものの。これをバックに敷いて、推敲を施してみる。なお、この「方向性」というものは作者的な背景にすぎず、この設定を本文に叙述する必要はない。あくまでも指針である。


■文や単語の順番を入れ替える。

「離せなくても良い頃のような何か。味という思い出せない首はおかしい。辛辣なクレーターは言った。いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。 あると思うもうまで微妙なのだ。本来動かないヒトが這い出てきた。いくら氷。二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。彼女。血のハーモニーが、手 を二等分に陣取るのが好きだ。皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」



‐‐‐‐‐‐
 と、いうところで文章は途切れている。テキストの更新日付は4月1日。それから中途なまま放置していたわけだ。とりあえずここに載せておくとして、その3はいつ載せられることやら……。
 でもこれ面白そう、と読み返してみて思うのだった(汗)。

その1← →その3
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4月1日

4月1日ですねー。新年度ですねー。エイプリルフールですねー。
 でもすいません。自分またネタの準備するの忘れてました。毎年忘れちゃいます。

 あ、ところで、つい数日前のことなんですけどね、街を歩いていたら、ティッシュとか配ってそうなお兄さんに話しかけられたんですが、そういえば自分なぜかよく道を訊ねられるんですが、はあその系統かな、などと思っていたらお兄さんが手を差し出してきて、え握手、握手ねはい、へい握手ー、とそうやってお兄さんと手を繋いでいたらなんだかもう片方の手が寂しくなってきて、ふと周りを見たらおじいさんが座っておられましたので、そのおじいさんに手を差し出しまして、おじいさんとも握手をして、そしたらおじいさんもどうやら自分と同じような心境になったらしくてですね、また道行くおばさんを捕まえて握手をされていましてね、ね、人類みんな手をつなごう、と書かれたプラカードを持った女の子が出てきてそこでふと我に返って、自分なに書いてんだろ、と悲しくなって筆を置いたわけですが、すいませんエイプリルネタは用意してないんです。自分なに書いてんだろ。


 最近あまり「小説家になろう」や「テンミリオン」では活動していないかもしれない自分ですが、一応いろいろ書いてはいます。ハヤカワSFコンテストに向けて宇宙物を書いていたんですが3月半ばくらいに頓挫しました。それからは文体実験的な長編を書きつつ、サイコロ転がしつつ、無駄にプロット量産してたりします。そろそろ恒例のリメイクの時期ですし。
 というわけで「俺的小説賞」の結果が発表されました。受賞された皆様おめでとうございます。自分は落ちましたー(常套句)。
 落選作「地球少女探査録」は、「俺的小説賞」サイトにて公開されています(短編36番)。3月はじめに書いたSFです。いろいろ空気読めてない作品。
第2回「俺的小説賞」応募作品一覧

 ではまた。



追記(2013/04/04) 商標ガイドラインの追加につき「なろう」から「小説家になろう」に修正
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

サイコロ小説(制作過程) その1

その2

■一文目

「小説家になろう」に掲載されている丁史ういなの作品のあらすじを、古いもの順で原稿用紙にコピー、ペーストする。このとき、原稿用紙は36文字×36行に設定し、作品ごとに改行する。55作品すべてをペーストすると、この原稿用紙で4枚の分量になる。
 まず、一度サイコロをふる。「5」がでたため、一文目は「5つの文節」で作られることが決定される。

 5つの自立語は、以下の手順で決定される。
一、サイコロを一度ふる。出た目がページとなる。(一文目ではページ数が4つしかないため、5か6が出た場合はやり直す)
  そのページの上枠をx軸、右枠をy軸として、マスを点にみたて、ページ全体を一般的な座標平面でいう第3象限のようなものとして扱う。
二、サイコロを二度ふり、出た目と目を掛ける。その数字に-1を掛けた値(つまり-を付けた数字)がx座標となる。
三、二と同様の作業をする。出た値がy座標となる。
四、求められた点にある単語を別の原稿用紙にペーストする。単語が二文字以上である場合は二文字以上のそのままで抽出する。また、該当する点にある単語が付属語、記号、空白である場合は二からやり直す。
五、はじめに決められた自立語の数(一文目では5つ)だけ一~四を繰り返す。
六、不自然のないように助詞などをつける。

「4ページ」‐「2×5=10」-「6×3=18」で「―」記号やり直し
-「2×5=10」-「3×3=9」で「を」助詞やり直し
-「5×1=5」-「6×3=18」で「離せ(ない)」(1)
「4ページ」-「6×2=12」-「6×2=12」で「いい」(2)
「2ページ」-「2×2=4」-「2×1=2」で「ころ(頃)」(3)
「5」ページやり直し
「6」ページやり直し
「1ページ」-「6×4=24」-「4×3=12」で「(その)よう(な)」(4)
「2ページ」-「1×6=6」-「1×2=2」で「の」助詞やり直し
-「4×5=20」-「5×1=5」で空白やり直し
-「1×5=5」-「1×1=1」で「何か」(5)

 (1)~(5)をつなげて、「離せいいころよう何か」
 書き加えを施し、一文目を「離せなくても良い頃のような何か。」とした。


■二文目

「小説家になろう」に丁史ういなが掲載している長編3作を、古い作品順に、一部ごとに交代して36×36原稿用紙にペーストした。「ぐだぐだ至上主義」〇〇一→「妖精が創った人形」プロローグ→「ム」ム(0)→「ぐだ~」〇〇二→「妖精が~」第1章の一.→……といったようにである。これを6ページを満たすまで続ける。
 そして一文目と同様のことをする。二文目の自立語は「5つ」と決まった。

「1ページ」-「2×1=2」-「2×6=12」で「味」(1)
「4ページ」-「6×3=18」-「2×5=10」で「いう」(2)
「1ページ」-「1×4=4」-「2×4=8」で「だ」助動詞やり直し
-「1×3=3」-「3×4=12」で「は」助詞やり直し
-「6×1=6」-「4×3=12」で「思い出せ(なく)」(3)
「1ページ」-「4×1=4」-「2×5=10」で「。」記号やり直し
-「6×1=6」-「1×5=5」で「首」(4)
「3ページ」-「1×1=1」-「2×6=12」で「だろう」助動詞やり直し
-「6×1=6」-「2×4=8」で「(惑わされ)ない」助動詞やり直し
-「4×5=20」-「2×1=2」で「おかしい」(5)

 つなげて、「味いう思い出せ首おかしい」。
 書き加えて「味という思い出せない首はおかしい。」わけわからん。


■三文目

 今度は、拙作「ジュピター」を使用。同様。
 文節は「3つ」

「2ページ」-「5×5=25」-「3×4=12」で「た」助動詞やり直し
-「1×3=3」-「1×4=4」で「辛辣な」(1)
「1ページ」-「3×2=6」-「3×6=18」で「クレーター」(2)
「6ページ」-「1×2=2」-「2×4=8」で「。」記号やり直し
-「5×1=5」-「6×3=18」で「言っ(て)」(3)

 つなげて、「辛辣なクレーター言っ」
 書き加えて「辛辣なクレーターは言った。」擬人化かよ。


■四文目

 次は拙作「てんたん!」。同様。
 文節は「5つ」

「5ページ」-「4×5=20」-「4×5=20」で「いな(かった)」(1)
「4ページ」-「4×5=20」-「3×6=18」で空白やり直し
-「3×2=6」-「3×4=12」で「だ」助動詞やり直し
-「4×5=20」-「2×6=12」で「まるで」(2)
「4ページ」-「1×5=5」-「3×1=3」で「もう」(3)
「3ページ」-「5×4=20」-「5×4=20」で空白やり直し
-「1×4=4」-「1×5=5」で「、」記号やり直し
-「2×1=2」-「3×6=18」で「も」助詞やり直し
-「3×5=15」-「2×6=12」で「」」記号やり直し
-「3×4=12」-「6×5=30」で「。」記号やり直し
-「6×3=18」-「2×5=10」で空白やり直し
-「1×5=5」-「1×2=2」で「…」記号やり直し
-「3×2=6」-「3×6=18」で「なか(った)」(4)
「4ページ」-「3×2=6」-「1×5=5」で「から」助詞やり直し
-「4×5=20」-「2×1=2」で空白やり直し
-「4×6=24」-「5×2=10」で「考え(ていた)」(5)

 つなげて「いなまるでもうなか考え」
 書き加えて「いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。」何がなかったんでしょうねー。というか3ページは鬼門(涙)


■五文目

 「スーアサイドストーリー」。同様。
 文節は「6つ」

「3ページ」-「2×1=2」-「5×1=5」で「ある」(1)
「4ページ」-「1×2=2」-「4×6=24」で空白やり直し
-「2×3=6」-「4×1=4」で「、」記号やり直し
-「2×1=2」-「3×6=18」で「思う」(2)
「5ページ」-「4×5=20」-「5×1=5」で空白やり直し
-「6×1=6」-「1×3=3」で「が」助詞やり直し
-「2×5=10」-「4×4=16」で「もう」(3)
「6ページ」-「6×1=6」-「3×6=18」で「シャワーカーテン」(4)
「1ページ」-「3×4=12」-「4×3=12」で空白やり直し
-「2×4=8」-「4×4=16」で「を」助詞やり直し
-「3×2=6」-「6×4=24」で「まで」(5)
「4ページ」-「4×2=8」-「2×3=6」で「微妙な」(6)

 つなげて「ある思うもうまで微妙な」
 「あると思うもうまで微妙なのだ。」


■六文目

 「地球の終末は決して訪れない」同様。
 「4つ」

「2ページ」-「2×3=6」-「4×4=16」で「た」助動詞やり直し
-「4×4=16」-「2×5=10」で「本来」(1)
「3ページ」-「5×5=25」-「5×2=10」で「に」助詞やり直し
-「1×3=3」-「2×3=6」で「に」助詞やり直し
-「2×6=12」-「4×4=16」で「、」記号やり直し
-「3×5=15」-「6×4=24」で「は」助詞やり直し
-「1×6=6」-「5×6=30」で「動か(なく)」(2)
「2ページ」-「6×5=30」-「1×5=5」で「ヒト」(3)
「2ページ」-「4×3=12」-「2×1=2」で「這い出(て)」(4)

 つなげて「本来動かヒト這い出」
 書き加えて「本来動かないヒトが這い出てきた。」3ページは鬼門


■七文目

 「第ゼロ章」同。
 「2つ」

「1ページ」-「2×4=8」-「6×5=30」で「いくら」(1)
「1ページ」-「5×6=30」-「5×6=30」で空白やり直し
-「4×6=24」-「6×3=18」で空白やり直し
-「2×3=6」-「2×6=12」で「―」記号やり直し
-「5×4=20」-「1×3=3」で「、」記号やり直し
-「1×2=2」-「1×5=5」で「氷」(2)

 「いくら氷。」このままでいいか。


■八文目

 「年越し掌編集2012」収録作の本文を順に6ページまで。同。
 「5つ」

「2ページ」-「3×2=6」-「3×2=6」で「二〇一一年」(1)
「1ページ」-「6×6=36」-「6×4=24」で「捉え様」(2)
「2ページ」-「4×2=8」-「5×3=15」で「から」助詞やり直し
-「3×1=3」-「6×4=24」で「久々に」(3)
「5ページ」-「2×6=12」-「1×3=3」で空白やり直し
-「5×3=15」-「6×1=6」で空白やり直し
-「2×2=4」-「4×1=4」で「…」記号やり直し
-「3×5=15」-「2×1=2」で空白やり直し
-「4×2=8」-「1×1=1」で空白やり直し
-「6×6=36」-「5×4=20」で「過ぎて」(4)
「3ページ」-「5×2=10」-「6×5=30」で「して」(5)

 「二〇一一年捉え様久々に過ぎてして」
 →「二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。」なにを


■九文目

 u17名義で別サイト掲載のテンミリ二次創作「虚数空間より」。同。
 「1つ」

「2ページ」-「4×5=20」-「3×5=15」で空白やり直し
-「6×2=12」-「5×3=15」で空白やり直し
-「4×5=20」-「6×3=18」で空白やり直し
-「3×3=9」-「6×3=18」で空白やり直し
-「5×2=10」-「4×3=12」で「に」助詞やり直し
-「5×4=20」-「1×6=6」で「彼女」

「彼女。」空白ぅ


■一〇文目

 u17(ういな)名義「口内炎と七面鳥」。同。
 「6つ」

「6ページ」-「5×3=15」-「6×2=12」で空白やり直し
-「2×6=12」-「4×4=16」で空白やり直し
-「2×4=8」-「5×6=30」で空白やり直し
-「2×4=8」-「4×4=16」で空白やり直し
-「2×2=4」-「6×4=24」で空白やり直し
-「4×2=8」-「6×3=18」で空白やり直し
-「5×6=30」-「3×5=15」で空白やり直し
-「4×6=24」-「2×6=12」で空白やり直し
-「1×5=5」-「6×6=36」で空白やり直し
-「2×4=8」-「2×4=8」で空白やり直し
-「5×2=10」-「5×3=15」で空白やり直し
-「5×1=5」-「1×4=4」で「血」(1)
「1ページ」-「6×6=36」-「4×4=16」で空白やり直し
-「1×5=5」-「1×5=5」で「に」助詞やり直し
-「4×6=24」-「4×4=16」で空白やり直し
-「4×1=4」-「1×2=2」で空白やり直し
-「3×2=6」-「3×2=6」で「ハーモニー」(2)
「2ページ」-「2×5=10」-「5×1=5」で空白やり直し
-「4×6=24」-「1×4=4」で空白やり直し
-「5×3=15」-「1×6=6」で空白やり直し
-「5×3=15」-「3×1=3」で空白やり直し
-「5×5=25」-「2×1=2」で空白やり直し
-「2×2=4」-「4×2=8」で「は」助詞やり直し
-「1×4=4」-「2×4=8」でやり直し
-「1×5=5」-「5×6=30」で「を」助詞やり直し
-「5×4=20」-「1×3=3」で空白やり直し
-「5×4=20」-「6×3=18」で「手」(3)
「2ページ」-「1×2=2」-「3×3=9」で「二」(4)
「1ページ」-「6×2=12」-「6×1=6」で空白やり直し
-「3×2=6」-「3×1=3」で「陣取る」(5)
「3ページ」-「2×6=12」-「6×2=12」で「です」助動詞やり直し
-「2×5=10」-「2×6=12」で「好き」(6)

 つなげて「血ハーモニー手二陣取る好き」
 書き加えて、「血のハーモニーが、手を二等分に陣取るのが好きだ。」


■一一文目

 u17(ういな)名義「今日はブラッククリスマス」。恐るべき空白に対抗すべく、ペースト後に空白をオミットして敷き詰め。同。
 「6つ」ただし、分量が3ページ半になったため、ページ数4,5,6が出た場合はやり直す。

「6ページ」やり直し
「6ページ」やり直し
「1ページ」-「2×4=8」-「2×5=10」で「皆無」(1)
「1ページ」-「3×6=18」-「4×3=12」で「一組」(2)
「3ページ」-「3×6=18」-「4×6=24」で「―」記号やり直し
-「2×6=12」-「5×4=20」で「生き返っ(た)」(3)
「2ページ」-「1×3=3」-「6×2=12」で「ブラッククリスマス」(4)
「1ページ」-「1×3=3」-「2×4=8」で「きっと」(5)
「5ページ」やり直し
「2ページ」-「2×4=8」-「3×2=6」で「。」記号やり直し
-「4×1=4」-「4×1=4」で「飲み込ん(だ)」(6)

 「皆無一組生き返っブラッククリスマスきっと飲み込ん」
→「皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」


 とりあえず180文字程度になったので、ここで打ち切る。
 全文はこのようになる。
「離せなくても良い頃のような何か。味という思い出せない首はおかしい。辛辣なクレーターは言った。いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。あると思うもうまで微妙なのだ。本来動かないヒトが這い出てきた。いくら氷。二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。彼女。血のハーモニーが、手を二等分に陣取るのが好きだ。皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」

 個人的にはこういう意味不明系の文章は好きなんだけども、これくらい短いからこそ読めるっていう側面もあるよねー、などと思いつつ。
 次は、この文の羅列をひとつの全体、「文章」という集合にみたてて、不自然がなくなるように推敲をする。

 と、いうところで今日はここまで。つかれたわ。


追記(2013/04/04) 商標ガイドラインの追加につき「なろう」から「小説家になろう」に修正
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

その2

第四回創元SF短編賞 一次落ち

第四回創元SF短編賞の一次選考結果が、発表されていましたね。通過された皆様おめでとうございます。
 自分は落ちましたー。残念。でもまあそんなもん。特に実感もつかめないまま今は長編を進めています。ハヤカワSFコンテストには、ぎりぎり間に合うか、間に合わないか、という現状……。

 さてさて、記事ついでに最近の自分の活動をまとめておきます。

 まず、第3回お題執筆会。主催側で提示したお題に沿った掌短編を、投稿しあいおのおの投票する企画です。長引いたんですけど今月16日にやっと終わりまして、自分は発想力賞と描写力賞をいただきました。思うんですけど、描写っていうのは作品によって関数的な意味で最大値が設定されていて、作品によっては、“描写しない”ということが描写のひとつの“方法”として映えてくるんじゃないかなぁ。とか結果を見て思いました。だってあんな説明だらけの作品が描写力賞を貰ったのだからね。きっとそうさね。(「虚数空間より」)

 第2回俺的小説賞、という企画(?)に作品を投稿しました。ひとりのかたが選考員として投稿作品を選考し、賞を決定するというもの。俺がすべてだ、っていう考えは作品としては個人的に賛同できる面があります。人によって読み味が変わるのは当たり前、だったら個人にゆだねてみようじゃないか、という面白い企画ですね。(「地球少女探査録」)作品は4月1日に公開される模様。

 まあこんなもんですかねぇ。あとは非公開下というか水面下というか好き勝手やってます。
 こんな感じで。

【小説】翳の生命

 彼はテレビの音に聞こえを傾けながら、奴の様子を窺っていた。奴はまだ、動くつもりはないらしい。おとなしくしているようである。彼もじっと体勢を整え、ただテレビの放つ光や音を感受していた。
 電灯は点いていない。夜も更けた。テレビの光は、彼の眼を曖昧に刺激する。同時に壁に翳がうまれていた。翳がかたどる模様は、動物の顔のようであり、無機質な機器のようでもある。彼はふいに、棚に飾ってある模型を思い出して身震いした。彼がここに住み始めたときから置いてある、縦長の模型である。なぜ置かれていたのかは未だに謎だ。おそらく以前住んでいたヒトが残していったのだろうが、模型のその不気味な様相を感じるに、暗い翳のような不安しか現れないのだ。それでも除去しないのは、どうしても、曖昧な不安が尾を曳き、捨てる勇気も持てずにいるからだ。
 テレビの電源が切れると、翳が消失した。明暗の差異もなく、部屋は途端に真っ暗な空間となる。――そして奴が、動き出した。
 彼は急いで押入れの中に入って、身を潜めた。押入れは部屋よりも暗く感じる。実際はどちらも暗闇に違いはないだろうに、なにが違うのだろう。彼は疑問を感じない。恐怖に集中し、今夜も息苦しい時間を過ごすのだ。
 押入れの外側で、奴が動いている。なにをしているのか、彼にはまだ分からない。奴もまた、彼がここに住み始めたときから、この家に存在しているらしい。
 静かになる。彼はほっと安心した。危険は過ぎたらしい。
 と、思ったのも束の間。押入れの戸が開いた。戸の向こうに、あの模様が浮かび上がる――そして眼前には、奴が。
 彼は死んだ。フィギュアを家に並べ立てているヒトに。死んだのだ。殺虫剤によって。


‐‐あとがき‐‐
 去年の10月11月くらいに、〈世にも奇妙なショートショートコンテスト〉という企画に参加したんですが、この作品はその没作品です。このとき自分は、「小説媒体でしか表現できないものを書こう」と考えていて、結果うまれたのが「ごくさいしき」だったんですが、その前にいろいろ試してたんですね。「ごくさいしき」の文体を思いつく前には、この作品や「こいのきゅーぴっと」のような、ヒト以外の動物をヒトと思わせるという叙述トリックを考えていました。まあこの作品のとおり、残念なことになったので頓挫したわけですが。

一周まわってきた作風

 ちょい久々に自作語り。ネタバレ含みます。

 自分、物語の〈はじまり〉と〈おわり〉がつながる作品が多いです。ええ、多いです。
 たとえば「ぐだぐだ至上主義」という2011年の作品では、冒頭で主人公が自身が死ぬ夢を見るんですけど、ラストでまた同じ夢を見るんです。この夢、どっかで見たことあるなぁと思いながらも、冒頭のときに見たことは忘れちゃってるんですけど(夢の内容とか数週間すれば忘れますよね? ね?)。他に、「ム」という長編も、初稿の段階でははじまりとおわりが、主人公の日記でつながってるんですよねー。
 今年はじめに「小説家になろう」に投稿した「第ゼロ章」も、そういう作風になってるんです。「第ゼロ章」にいただいたご感想で覚ったことなんですが、ははあ、自分って回帰する作風、一周まわってきた作風が好きなのだろうなぁと。実際好きかどうかはよくわかりませんが、書きやすいんだろうなぁと。

 ……それで、この起源はどこなのだろう、なんの影響なのだろう、とか思ったわけですが。
 はい。小松左京の『果しなき流れの果に』ですね!
 ネタバレになりますので詳しいことは伏せますが、宇宙を駆け巡った先に落ち着く茶の間の風景――この日本人的な輪廻的な物語に憧れているのだろうなぁと。仏語というより自然の有りような意味での輪廻。開高健のエッセイを思い出すもんです。

 まあそんなこんなな自作語りでした。
 こんなこと語ったのにもきっかけがありまして、まあ、昨日まで書いていたスペオペ短編が、まさしくこんな作風でした。




追記(2013/04/04) 商標ガイドラインの追加につき「なろう」から「小説家になろう」に修正
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

みとめるということ

 数日前、「みとめるということ」を「小説家になろう」に投稿しました。
 これは「小説家になろう」の恒例となったらしい企画、〈冬の童話祭2013〉参加作品です。
http://ncode.syosetu.com/n1329bn/

 童話ってわりと簡略的で、だから派生とかするんでしょうけど、そのために時代背景が色濃く出ているジャンルなんだと思います。まあそれもあっていろいろ意図を絡めて、入れ子構造なりなんなり試してみました。きっと童話さ此れも彼も。

 かたることがないのでこれにて。




追記(2013/04/04) 商標ガイドラインの追加につき「なろう」から「小説家になろう」に修正
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

2013年

 2012年さんは旅に出ました。きっともう帰ってきません。永遠の別れです。さよなら、2012年さん。

 2012年には210冊ほどの小説を読んだんですが(読書メーター調べ)、そのうちの特におすすめの20冊を、まとめてみました。ただし小説のおすすめなので、漫画、詩集、指南書や啓蒙書等は除いています。
こちら→http://book.akahoshitakuya.com/u/89701/cat

 第47回 北日本文学賞(http://webun.jp/pub/hensyu/bungaku/47_2013/result5.html)の結果が、1月1日に開示されていました。受賞された皆様おめでとうございます。
 自分は4次通過止まりでした。こんな出来じゃあ1次も通過しないだろうなぁと思っていたんですが、ずるずると名前が残っていたときは心臓が痛くなりましたね。ええ。
 ところで、この文学賞の場合、4次通過して最終候補に選ばれなかった自分は、最終選考落ちになるんでしょうか、5次選考落ちになるんでしょうか。とか細かいことが気になる。(4次選考通過でいいじゃん、とは思うものの)

 2013年の私事的創作的ノルマ。
  ひとつ、長編2作以上完成(昨年比-2)
  ひとつ、書籍170冊以上読了(新出ノルマ)
  ひとつ、2つ以上の公募に投稿する(昨年比-1)

 っておいおい、2012年のときよりハードルが下がってるでないか。一見するとそうですが、2012年得た反省をもとに、こうなりました。
 自分、代表作だとか、自信作だとかいう作品がありません。ありません。
 書き上げた数ヵ月後に、こうすればよかったと後悔に苛まれたり、続編を思いついてしまったり。ときには書き上げた直後から「これは駄作だなぁ」と実感が湧いてきます。でもまー今回4次通過した作品もそういう作品だったんですけどね。そういう主観との付き合い方はもう分かっているのでどうでもいいのですが。問題点は、「質より量」という去年までの姿勢なんです。
 今年は、数をこなすより、1作にきちんと完全投入できるようになりたいな、と。とりあえず完成させればいい、未完の傑作よりも、完成した駄作だ。そういう考えのもとこれまで書いてきたんですが、そろそろすてっぷあっぷします。完成させたうえで(主観的に)駄作を脱します。公募に投稿する、というのはその指標のようなものです。

 というわけで、まずは「過去作を書き直したい」やら「続編書きたい」やらの誘惑を断ち切るために、2012年までの総括的な、自己満足的な短編を近々投稿する予定です。タイトルは「第ゼロ章」。
(本当は1月1日の0時0分に投稿したかったんですけどね)

 ではまた。

ピリオド

/「いつかの林檎の木の下で」あとがき


 最近、詩の指南書を購入した。本棚の壮観によく苦笑していたところだったが、買ってしまったのだから仕方ない。この本が、きっと自分に新たな道筋を与えることを信じている。であるから、このタイミングで「いつかの林檎の木の下で」が完結したのは、なんとも丁度良いことだ。

 2012年、この年は躍動的な年だった。周囲に大きな変化の訪れる年であった。たとえばツイッターや「小説家になろう」でつながりのある方が、4人も文学賞で受賞した(うち2人は既に本を出し、晴れてプロデビューだ)。たとえば今の創作スタイルを確立するにおいて多大にお世話になった空想科学祭が、この年で終幕を遂げた。たとえばあのハヤカワSFコンテストが、新しくなって再開されることが発表された。たとえば自分が作品を公開するということを覚えたサイト、フリーゲーム「テンミリオン」が、この年で10周年を迎えた。
 周りの変化というものは、必然的に自分に影響をもたらす。未だ実力不足であることは承知しているが、この年から公募活動に積極的に動いた。1次選考通過を初めて体験したのもこの年だ。

 周り、とはいえど、自分も他者にとっては周りなのであり、影響を与えているのである。そのことを心から実感し始めたのも、この2012年だったように思う。ただひとりでいい、拙作がその人の“わたし”に影響するというのは、なんと光栄なことであり、感動するものではないだろうか。
 テクストはこうして繋がってゆく。一本の大きな木。そのもとに、日々訪れる「何か」。

 全9+1章、330編からなる「いつかの林檎の木の下で」は、もともと「第1編 u17's poems」で終えるつもりだった。過去に書いた詩のようなものや、ふと書きとめた文、そういうものを脈略もなく並べ立てて終えるはずだった。ところが、これを書き上げた折、“詩とはなにか”という難しい問題につきあたった。これを早急に解決する必要があると、当時の自分は考え、続けてしまうことになったのだ。
 書き続ければいつか見えてくる、それが自分の盲信している論だ。これは小説にもいえることで、自分は、“小説とはなにか”という問題の答えは、100作も200作も書いてようやくおぼろげに浮かんでくるものだと思っている。
 結局、ピリオドを打った現時点でも、“詩とはなにか”分からない。しかしこの詩集が、その役目をまっとうしなかったわけではない。

「いつかの林檎の木の下で」の1作目は、「ピリオドのあとにまた文が続くように」という題名を持つ。後付けになるが、まさしくこの題名の示している通り、この詩集は膨大な文章のある一文、一部分なのだ。あとにまた、次の文が続く。
 テクストは“わたし”という垣根を越えて繋がってゆく。一本の大きな木。
 その先に見える。
 新たな一文の誕生を、ここに祈る。



 少し気が早いですが、2013年もよろしくお願いします。

企画やあれやこれや

 ここ最近の創作活動をまとめる整理する。

■世にも奇妙なショートショートコンテスト
 という企画に参加しました。
http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/183239/blogkey/555594/
 共通したテーマのショートショートを書き、読みあうという企画でした。
 テーマは「日常に起こりそうな奇妙なお話を書く。」某企画のオマージュらしいです。
 自分は投稿期限の2日前にやっと投稿。筆を実際とってみると、難しいテーマだと気付き、あれやこれやと考えていたら時間が迫ってましたね(「ごくさいしき」http://ncode.syosetu.com/n4896bk/)。空想科学祭FINALでの反省点を取り入れてみたんですが、まあ自分の実力不足を実感する結果になりました。いい気分。
 この「ごくさいしき」、過去に投稿した「スーアサイドストーリー」(http://ncode.syosetu.com/n9175z/)と世界観を共有していたりします。この世界観は、“BKアパートシリーズ”として、これからも書き続けていく。かもしれない。
 ドアノブの描写など、この2作品だけではある意味矛盾に見えてしまうそうな部分もあるので、さっさと伏線回収したいところです。いつになるだろな……。

■第3回 お題執筆会
 はい、懲りずにまた企画してます。現在、募集期間。『テンミリオン』のほうにて開いています。
 今回のお題は「オレンジ」「チョコレート」「暗闇」の3つ。これらを組み合わせて1万文字以内の短編を書いてもらうぜーというもの。まあゆるい企画。リンクは貼らない。

■『テンミリオン』二次創作受付開始
「小説家になろう」にて、『テンミリオン』の二次創作が投稿可能になりましたね。嬉しい限りです。これで「てんたん!」(http://ncode.syosetu.com/n9801x/)を削除せずに済みます。うむうむ。
 これからも「小説家になろう」にいくつか投稿するかもしれません。

■あゆもよ、“深淵”の第2話投稿
「ああ遺言は物語のように」というファンタジー作品を、『テンミリオン』の小説投稿板のほうにて連載しているんですが、それを久々に更新しました(http://www.shiftup.jpn.org/flash/sim/newbbs/patio.cgi?mode=view&no=31940)。実に8ヶ月ぶり(汗)。
 合間合間に書いていくので、ずいぶんのんびり書き続けてますが。遠い未来になろうとも書き上げるつもりですから、まあごゆるりと……。

■いつりん、最終編連載開始
「小説家になろう」のほうにて連載している「いつかの林檎の木の下で」という詩集(http://ncode.syosetu.com/n3540p/)、〈第9編 形式破綻的半自動眉唾記述〉の連載を開始しました。これで最後です。12月6日までに完結する手筈になってます。いつだったか、あなたのテクストは詩ではないということを言われたことがあります。一年以上前のことですが。そのときは分からなかったんですが、たくさん書いてきて、最近ようやく、詩とはなにかおぼろげながら分かってきた気がして、現段階のその問と解を記す第9編となります。


 これくらいだと思いますがまーまたワタクシゴトな記事になったなーと思えばそもそもこのブログ自体がワタクシゴトのために作られたんでありましてつーかこれ言うの何度目だろーと数えてみるといや数えないけどまあそーゆーことです。
 ではでは。




追記(2013/04/04) 商標ガイドラインの追加につき「なろう」から「小説家になろう」に修正
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

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小伏史央(こぶせふみお)

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