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メモ:混沌

わたしはSF至上主義者である。
 正直なところ(いや、白状ではなくある種の露見を取り繕う形においての――)わたしは詩や小説について一切理解していない。詩とはなにか。小説とはなにか。発展を目指しているのかそれともただ保守的であるだけなのか、その定義やらという「とは」というそれがなぜ効力を持ち続けているのか、という問題である。
 たとえばわたしは小説と詩の(詩と小説の)違いが分からない。例外はさておき、詩、というものも、小説、というものも、文字、という存在に支配されている(例外はさておき)。
 柄谷行人がなぜ梶井基次郎が詩人ではなく小説家として認識されているのか苦言というものを呈されていたが)(ところでわたしは綾辻行人が好きであるがあら下の名前が同じなのね(これは草稿に他ならない)。
 ところでわたしが常々感じていることは、「文学は卑しいものだ」ということであるがところで文学というものは読んで字のごとく文によって問われる一連の流れである。フォンテーヌ通り42番地において遊びであったいわゆる実験が、なぜ現代ではこうして胸を張って実験であると称されているのかわたしには理解が及ばない、そこにあるのは遊びではないのか、醜い遊び、それが文学ではなかったのかそしてそれが唯一の「文字の支配」から逃れる方法ではなかったのかしかしてその先に見えるものはオレンジジュースの雨、甘ったるい文字の洪水が起きているに違いない。なおこれは草稿である。
「おお、主よ、わたしが行きます。
  と言うと炭を持ったセラピムが、
   わたしの唇に火をかさねた。」夢。
 この話をわたしが最も好むのであるその理由というものはすなわちつまりあるいはアヒルはぐえーと鳴くのかもしれない。「文字の支配」から逃れる、あるいは戦うにおいて、重要なのはなにか。それは決して命を守ることではない。勝利において命が枷になるのであれば命を捨てることも厭う必要はない、しかし必ず勝利をおさめた後には生き返らねばならない。たとえ勝利を虚構のなかに押し込める結果になったとしても。
 さて、ここで文章の意味というものは第一行目に立ち返ることができる。「わたしはSF至上主義者である。」では、SFとは、なにか。――わたしがSF至上主義者であるのはここに重要な理由が置かれている。SFに「とは」を付するのは面白いほどにナンセンスなのだ。
 SFとは“未来に対する即応の逃避文学”である。というのは、アシモフの言をわたしが好きなように要約した言葉である。ありがちな偏見としてSFとファンタジーを同一視するものが見られるが、ファンタジーが過去へ逃避するのに対し、SFは未来へ逃避する。それも、未来の“現実”へ逃避するのだ。それは結果的に逃避にはなりえていない。

「SFのあまりにも過多な多様性は、しばしば評論家を混乱させました。あなたが〝純粋なSF〟を区別したいと考えられたのも、そのためだと思います。あなたも指摘しておられたように、SFの中にはどぎつい通俗読物から、前時代的な怪物から、宗教的主題から、推理小説的な内容から、〝文学的にすぐれたもの〟までもりこめるのです。私自身、この「何でもカンでもSFにしてしまえる」このSFという文学形式に、当初は呆然としたものです。SFの形をとれば、いわばあらゆる文学をパロディ化することができる。従来の文学形式で表現できた主題は、ことごとくSFで表現し得る。
 しかし、この関係は可逆的ではない――この点に関する分析はあまりに長くなるのではしょることにして、次の点だけ指摘しておきましょう。SFの視点にたてば、あらゆる形式の文学を、――神話、伝承、古典、通俗すべてのものを、相互に等価なものと見なすことができる。このことはやがて〈文学の文学性〉を、実体概念でなく、機能概念として見る見方に導く。」
(巽考之 編『日本SF論争史』(勁草書房)収録 小松左京「拝啓イワン・エフレーモフ様」より ※小松左京『宇宙にとって人間とは何か―小松左京箴言集』PHP新書 より孫引き)

 なぜ、詩は、小説は、
 文字なんてものに支配されてしまうのだろう。

 詩(portrie)や小説(nobel=原子番号102)が目の前にあったとして、それらを「文学」に集約するとして、

 ところで実験小説、とか、実験詩、というものがあり、
 それらは確かに「実験」とは冠されているが、
 果たしてエビデンスレベルはいかほどなものだろう?
(ところでここからが重要になるのだが、
 この「実験」は、たとえ失敗という結論が導かれたとしても、
 それが文字に支配されている限りにおいて、
 作品、が書きあがったという成功は決して消えはしないのである。)
 なんて効率的なことだろう!

 難しいことを考えるよりも先に、実験、とでも称して、他人に怒られようが自分で破ってしまう衝動に駆られようが、
 ただ書けば良いのである。品質を問わない大量生産。ユートピア。
 +ただし、その考えでは向上性に欠けることを指摘しておく。

 SFを書こう。
 SFは詩たりえる。そして小説たりえる。
 溢れかえるまで。SFはすべての交差点において存在しうることができる。

 しかしてこれは草稿である。
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ホームページ再開設

じゃじゃん!
  埃城
 一応見ることができる形にはできた気がするので、個人サイト新しくなって開設しました。これからいろいろ弄ってみるつもりです。
 今回はこれだけ。
 ではまた。

最近のあれこれ(2013年7月)

ということで毎度のように近頃の活動をまとめておきますか理由もなにもなく。
今月7月のこと。


■〈第4回 お題執筆会〉参加者募集開始

 お題執筆会ももう第4回。感慨深いものがあったりするものですが今回はいろいろ試験的な運営を目指しています。お題執筆会はまだまだ続くよ! ということで。
 期間を縮小して参加者募集期間を1ヶ月から1週間へ、作品投稿期間・感想投票期間をそれぞれ3週間から2週間へ。募集人数も2人以上5人程度以下ということで幅を利かせました。夏休み中に終わる企画であることを強調したら学生さんが集まってくれるんでないかなという画策だったりするのかもしれない。
 お題は今回はひねりナシで「魔物」と「忘れ物」の2つ。第5回ではちょっとすごいお題を用意しようかと今から1人計画中です。
 参加表明はテンミリオンの掲示板にてお願いしています。参加表明は8月4日まで。


■「ういなの短編リメイク集」4作目完結&5作目6作目追加

 テンミリオンの小説板で連載している短編集。4月からその中で連載していた「終わりの朝に臭いくちづけ」が無事完結しました。あえてプロットを作らずに連載を開始した経緯があるんですが、ちゃんと書けたようでホッとしています。
 5作目「虚数空間よりver.i」も投稿。テンミリオンのレイアウトを逆手に取った文体実験的な作品になっていますがまあそれだけだったり。
 6作目「考える箱」は実際に書いたのは今年の5月で、〈第5回てきすとぽい杯〉に即興で書いて提出した作品。詳しくはあとがきで述べていますがこの作品のプロットが自分の過去作に通じているので、この度リメイク作品とみなして重複転載。リメイクとかそれ以前に気に入っている作品だから転載したとかそういうわけじゃないんだからね。勘違いしないでよね。


■〈第7回てきすとぽい杯

 今回も参加しました。1時間+15分の即興企画。
「モググは無慈悲な星の覇王」とかいうパロディにしてはちょっと勘違いしてないかこいつバカじゃないの的なタイトルで投稿。
 自分、書けるときと書けないときのムラがありすぎて経験不足が見え見えだなぁ。


■〈漱右になるのは君だ! 第一回赤シャツ文学賞

 こちらも「てきすとぽい」サイトの企画。
「おさない君へ」って作品を投稿。まあ毎度書いているパターンのやつですがてきすとぽいに提出したのは初めてだと思うのでどうにかなるさ。
 拙作「みとめるということ」で“ごじっ才ぐらいの子ども”という表現を使った覚えがありますが、書いている内容はたぶんその流用みたいな発展みたいな縮約みたいな感じです。学校ができるまで(18世紀くらいまで?)は「子ども」は立派な働き手、「小さな大人」だったわけですが、現代ではそれが逆転して「大人」が「大きな子ども」になっているような、そんな気持ちの一欠片。まあ今回はあまり考えないで書いたので今度きちんと向き合って書いてみたいものですけどね。
 なんでこういう、参加表明のない部類の企画って、提出期限直前にならないと書く気にならないのだろう。不思議ですね。


 まあ公開したのはこんな感じですか。他に、別名義で某所で好き勝手やってたりしますが。まあそれは置いておくとして。
 そろそろ「あむの憧憬」に終止符を打ちたいなと思わないでもない。たぶん8月中に書きあがります。公開自体は10月まで延びますけど。
 でも8月、もしかしたらまた外国に行く用ができるかもしれません。もともとの予定では8月中旬まで海外にいるつもりでしたからね。行きたくないなぁ。

 ではまた。

テンミリオンの思い出

どうも。テイブミウイナです。8月半ばくらいまで海外にいるつもりでしたが、予定が狂って7月18日には日本に戻ってきていました。おかげで参加したいと思っていた小説企画にも参加できた/できそうです。

 さてさて、今回は少し、ブラウザゲーム『テンミリオン』について語ります。
 テンミリオンのサイトにはオリジナル小説投稿板というところがあって、「小説家になろう」に入会する前とか、今でもしばしば、そこに作品を投稿していました。

 そのテンミリ小説で、深く記憶に残っている作品があります。しかし残念なことに題名も作者名も分からず、覚えているのは、学園モノだったこと、運動会のエピソードで、校長が曇り空に向かって「おてんとさん、おてんとさん、晴れないとその首ちょんぎるぞゴラァ」(うろ覚え)って言っていたことが面白かったことぐらい。他にも宿題をやるために同級生の家に集まるとか、屋上で弁当を食べるとか、そんな良い意味での王道的学園ストーリーが繰り広げられていたと思います。自分が小説をネット上にまだ公開せずに、チラ裏というか、手書きでやっていて、テンミリオンはROMっていた頃のことだったので、2006年とかその辺かな。
 ふいに記憶に上がってきたので、懐かしくなって、いっちょ探してみようかな、と。思い立って小説板やその過去ログを漁っていたのですが……なんと2010年までしか残っていない! 色々と虚しい気持ちになりました。せめて作者名だけでも分かればなぁ。

 あともうひとつ、この系列(テンミリの思い出系列)で、テンミリオンの扉絵について。
 過去の扉絵一覧を見て、これまた懐かしい気分に。すずのや様の描かれた扉絵が時期的に一番愛着があります。それでこの方についてイラスト板で調べてみたら、いつの間にやらテンミリオンを卒業されていたようで。時間が経つってこういうことなんだなぁ。

 テンミリオンが始まってから、あと3ヶ月ほどで11年になります。
 いつまで自分はテンミリオンに付いていけるのか。いつまでもどこまでも付いて行きます。と口に出してしまうとなんとも知れぬ不安が押し寄せてきます。けれどテンミリオンがなければ、いまごろぼくは小説を書いていないわけで。
 どうかいつまでも誰かの憩いの場であってほしい。そう願うわけです。


 余談ですが、テンミリオンのID取得方法ってなかなか考えてありますよね。ゲームをクリアしたら掲示板にログインできるパスワードが与えられるのですが、ということは、テンミリオンをプレイした者だけが小説やイラストを投稿できるわけで。テンミリオンのキャラクターっていくつかデフォルメされた特徴があるだけで、極端に台詞も少なくなっていて、自由に発想を繰り広げられるわけです。だから二次創作の敷居も低くて、ゲームをクリアして、キャラの分かりやすい特徴が掴めたら、小説板やイラスト板にも来てね、って、良い具合に誘導できる気がします。まあ最初にゲームをプレイするのが面倒だと感じる人が大抵かもしれませんから、知らない人に紹介するときは、そこだけネックでしょうけどね。

 というわけで、土曜日にテンミリ関係の告知をします。ぜひこの機会に、テンミリオンをご存知ない方も、足をお運びください。詳しくは土曜日を待て!
 今日はこれにて。ではまた。


※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

7月8月投稿予定(予約投稿済み)

以下のとおり過去作品を「小説家になろう」に投稿します。お楽しみいただけると幸いです。
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。


・「地球少女探査録」
[全6部/約16000文字] 7月7日10時に投稿
2013年3月執筆。
ジャンル:スペースオペラ
備考:第2回俺的小説賞 落選作品(丁史ウイナ名義)
あらすじ:地球外生命体を探していた道中、少女は宇宙で事故にあう。国際宇宙ステーションとの通信は途絶え、自分がどの座標にいるのか見当もつかない。その絶望のさなか、少女は進化の果てを見る。


・「今日はブラッククリスマス」
[全8部/約4500文字] 7月15日17時~7月16日0時に1時間ごとに投稿
2012年10月執筆。
ジャンル:リア充爆発しろ
備考:フリーゲーム『テンミリオン』のキャラを使用した二次創作小説


・「ノア」
[短編/約10000文字] 8月1日0時に投稿。
2012年8月執筆。
ジャンル:純文学SF
備考:某地方文学賞で最終候補の一歩手前まで行った作品。


・「空気売りの少女」
[全3部/約12000文字] 8月18日20時~22時に1時間ごとに投稿
2012年11月執筆。
ジャンル:SF
備考:某SF短編賞で一次選考落ちした作品。
あらすじ:「私」は家の前で大声を張り上げている十四、五歳ほどの少女を見かけた。彼女は「地球の空気」を売っているらしい。少女に興味を持った「私」は、試しにひとつ、「地球の空気」を購入したが……。


・「虚数空間より」
[全4部/約5000文字] 8月25日8時に投稿
2012年11月執筆。
ジャンル:ペダンティックSF
備考:衒学的すぎなのは仕様です。u17とあと2人で主催運営している企画、「お題執筆回」の第3回、『オレンジ』&『チョコレート』&『暗闇』のお題で書いた作品。『テンミリオン』二次創作。

無題


 深夜に起床するというあれ。
 ここのところ上手く時間が作れなくて、ただ暇さえあれば寝てばかりいるものですから、いままでどうやって時間を捻出してきたんだろうって、不安になってきます。
 そういえば去年、ある作家のかたに「ういなさんの不眠っぷりについて」(だったかな?)って詰られたことがあったなー。あのときもあのときですけど、今も今といいますか、睡眠時間については調節が利かない自分です。

 以前もちょこっと触れましたが、本名名義で、ある書籍の一部分を担当しました。巻末の執筆陣欄に記されている自分の名前を見ると、ちょっと誇らしげな気分になりましたね。本名名義なので詳しいことは言えませんが。初めての経験でたいへん勉強になりました。自分にお声かけくださった某氏に感謝を。

 今日は「第6回 てきすとぽい杯」が開かれますね。今回はどんなお題がくるのでしょう。楽しみです。寝ていなければ参加すると思います。無理矢理にでも完成させることはできますから、寝てさえいなければきっと参加するかな。
 企画みたいに、時間を規定してくれる場所があるのが、今の自分にとって救いです。「あむの憧憬」の第三部は、3万文字を予定しているなかでまだ5000文字しか書けていない……。
 締め切りがあったほうが書きやすい。いつまででもいいよ、となると、書けないというか書かない。だから長編を書くときなどは、ダイアリーとにらめっこしながら、一日のノルマを課して、できたかどうかの○×記号と剰余分のページ数を記入していたのですが。今年に入ってからはその時間管理を怠っているので、うまく書けないんだと思います。……と、原因を分析できているのに実行に移ろうとしない怠惰感。どうにかしたいものですね。

 ではまた。

【サイコロ200文字小説】月面のクリスマス

執筆過程:
その1その2その3



本文:
 離せなくても良い頃のような、なにか。味とは思い出せない首。おかしい。
 辛辣にクレーターは言った。「いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。あると思うまでもう微妙なのだ」
 本来動かないはずのヒトが這い出てきた。彼女だ。「氷はいくら」二〇一一年、捉え様では久々に。月は過ぎてしまった。血のハーモニーが、手を二等分に陣取る。それが好きだ。皆無で、一組も生き残って、暗闇のクリスマスをきっと飲み込んで。



備考:
「小説家になろう」に重複掲載。
 概要は上記の執筆過程を参照のこと。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

「あむの憧憬」第二部、「考える箱」他


■あむの憧憬 第二部
「小説家になろう」にて連載中の「あむの憧憬」、その第二部を投稿しました。
 主人公「わたし」の友人についての物語です。
 よく拙作を読んでくださっているかたが、ツイッターで「とらぬ狸」について言及されていたのですが、それが本作についておっしゃっていたのかどうかはともかく、本作にはいろんな作品へのパロディ・オマージュが含まれています。それを探すのも一興かもしれませんね。


■考える箱
〈第5回 てきすとぽい杯〉という企画に、掌編「考える箱」を投稿しました。
「箱」というお題で、1時間15分の制限時間内に書き上げる企画です。
 実は本作、2010年に書いた「箱体実験」を下敷きにしています。筆が乗ったのは目に見える原型があったからでしょうね。「箱」と聞いてシュレディンガーの猫とか軌道エレベータとか箱庭とかまず思い浮かべましたが、きっとネタ被りするだろうなぁ、それに1時間で書ける自信ないなぁ、ということでSFは避けた舞台裏があります。SF書きなのにね。企画チャットで「箱」と「SF」の関係について論じられているのを見たときは、SFを書けば良かったと少し後悔したり、恥ずかしくなったり。
 SFを書いていて思うんですが、場所によっては、SFはとても肩身が狭くなるんですよね。場違い。そんな視線を真偽に関わらず感じてしまいます。しかし〈てきすとぽい〉は、ユーザーが主催できるためか企画毎にそれぞれの色があり、良い具合にSFも受け入れる空間を含んでいる気がします。居心地の良いサイトです。
 考える葦にちなんで、特別賞、“パンセ賞”をいただきました。ありがとうございます。


長い長い夢
 恒例の「とある男のせつない物語」郡リメイク。「小説家になろう」にて、つい昨日投稿しました。
「とある男の~」は自分にとって思い出の作品で、今回で5回目のリメイクとなります。が過去作にいつまでも拘っていてもなぁ、という気持ちもあり、あまり本作を書く時間をとれずにいたのですが、昨日、半ばやっつけで一気に書き上げてさっさと投稿してしまいました。


■他
・北日本文学賞から、応募を促す葉書が届いていました。前回応募者には、今年からこうして葉書を送るそうです。宛名住所が手書きで、もしや1312人全員分手書きしたのかと驚きました。第47回では、半ばカテエラを自覚しつつも締め切り付近に投稿した作品が、最終候補の一歩手前(4次選考通過)にまで行って心臓が痛くなった(比喩)覚えがあります。その作品はまだ公開していませんが、「あむの憧憬」の連載が間に合わなかったときにでも、公開するかもしれません。

・ところで、近所のケーキ屋で一個80円で買ったプリンがすごく美味しいです。
(だからなんやねん)

 ではまた。


※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

あむの憧憬(第一部)、ただひとり 他

最近の活動。

■あむの憧憬
「小説家になろう」に、長編SF「あむの憧憬」の第一部を投稿しました。

あらすじ:
 主人公「わたし」は、教育機関で寮生活をしている学生だ。おやつばかり食べている人間不信のルームメイトや、娯楽作品に没入している友人たち、愛犬エコなどに囲まれながら、平凡な日々を過ごしていた。しかしある日、突如「わたし」は、文章を“執筆”することを決心する。「ユートピア宣言」以降、苛烈な制約により文章を書く者が激減したこの時代。小説や詩は、文字を介さない形へと変容し、もはや紙の本や電子書籍は遺物となったこの時代。「わたし」が執筆を開始するやそのことは教育機関中に広まり、「わたし」は授業や試験の大幅な免除を受けながら、自分の命を削ってゆく――。
 物語の物語、友人の物語、家族と宗教の物語、罪滅ぼしの物語、そして。
 全五文からなる、「わたし」の記。

備考:
 全五部構成、およそ15万文字になる予定です。予定、というのも、実はまだ書き上げていません。一ヶ月に一部の間隔で投稿することになってますが、ぶっちゃけ一ヶ月ほど繰り下げる気満々です。休載時に代わりに投稿する短編も用意済みです(自分でもちょっと意味が分からない……)。
 読みづらい、というのが作者としての印象。実験小説のていも成しているつもりなので、推敲をきちんとして、その過程でまた新たな発見が得られたな、と。
 まあそういうことで。最後までお付き合いいただけると幸いです。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。


■ただひとり
〈我ながらホレボレする文体を自慢する大賞〉参加作品。
 投稿締め切り日に滑り込みしました。前日まで用意していた、叙述トリックを扱った掌編があったんですが、叙述トリックと文体は別物だろ、という判断で没にしました。たぶんその作品は「年越し掌編集2013」に収録することになると思います。
 で、没にしたのなら投稿した「ただひとり」はなんなの? といいますと、「第ゼロ章」の前編、「デウス・エクス・マキナ」から一部抜粋したのでした。抜粋。修正さえ加えていないこのままよクオリティ。
 なんていう技法かは忘れちゃいましたけど、元からあるものに、ただタイトルだけつけて新しい作品に仕上げてしまうってのがありますよね。有名なやつなら、デュシャンの『泉』っていう作品、ただ小便器をオブジェとして飾っただけの作品がありますよね。ああいう感じで、抜粋してタイトルをつける、というだけで仕上げてしまいました。


■他
 新しい名義をつくって、某サイトにて活動を始めました。これについては、ただ某所で活動を始めた、ということだけ開示して、具体的なことは伏せておきます。

 それとまた他に、本名名義でつまりリアルのほうで、あるところから依頼をいただいて、寄稿しました。その関連で最近は時間が自由に使えなくて悶々としています。はやく「あむの憧憬」の続きを書きたいんだけどな……。

ではまた。

サイコロ小説 その3(完成) 「月面のクリスマス」

サイコロ小説(制作過程) その1

サイコロ小説(制作過程) その2

 以上の記録のとおり“サイコロ小説”を試してみたのですが、
 今回、その第1作目を完成させました。いい加減どれだけ時間食うつもりなの、とも思っていたところですし。

行き詰ったときの解決策、
→放棄しちゃう。

 あくまで一例ですが、この解決策、自分は信奉しています。
 ということですので、制作過程その2、であれこれ捏ねくっていた推敲談はほぼ無視しました。
「小説家になろう」の新規小説作成ページを利用して、文字数とにらめっこしながら、単語や文を入れ替えたり助詞を書き換えたり。自動記述したあとの推敲と同じようなもんですね。あまりに短い文章なので、理論で考えるよりフィーリング一本で推敲したほうが案の定ラクでした。

 文章が短い(というか一文ごとにかかる労力がひどい)のが、今後の課題かな、と思います。どうにか効率化できないものか。サイコロの振り方にも、頭を使わなくてはならないですね……。あるいはサイコロに固執せず、なにかランダムに単語を抽出するような方法を探ってみるのもいいかもしれません。(でもそうしたら“サイコロ小説”じゃなくなっちゃうな)

ということで、
「離せなくても良い頃のような何か。味という思い出せない首はおかしい。辛辣なクレーターは言った。いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。 あると思うもうまで微妙なのだ。本来動かないヒトが這い出てきた。いくら氷。二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。彼女。血のハーモニーが、手を二等分に陣取るのが好きだ。皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」
 サイコロで作られたこの文章を推敲して、題して「月面のクリスマス」が、完成しました。

月面のクリスマス
 離せなくても良い頃のような、なにか。味とは思い出せない首。おかしい。
 辛辣にクレーターは言った。「いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。あると思うまでもう微妙なのだ」
 本来動かないはずのヒトが這い出てきた。彼女だ。「氷はいくら」二〇一一年、捉え様では久々に。月は過ぎてしまった。血のハーモニーが、手を二等分に陣取る。それが好きだ。皆無で、一組も生き残って、暗闇のクリスマスをきっと飲み込んで。
                          ‐了‐

 というわけでした。なにげに200文字ジャストにしてみたり。
 近いうちに「小説家になろう」のほうにも載せておきます。200文字小説でもある、というのが、ある程度クオリティ的なフォローになっている気がする。

 ではまた。


※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

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小伏史央(こぶせふみお)

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