その1← →その3
今更ながら、36文字×36行6ページで二度のサイコロ掛けるよりも、18文字×18行18ページで、三度のサイコロを足したほうが確率的には信用度が高いんじゃないのかとか思えてきた。サイコロの目を掛けるんじゃあ、7以降の素数とか27とか出ない値があるわけだし。次回からはそうしよう。
(実験小説にエビデンスレベルを求めるのはお門違いってものさ)
「離せなくても良い頃のような何か。味という思い出せない首はおかしい。辛辣なクレーターは言った。いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。 あると思うもうまで微妙なのだ。本来動かないヒトが這い出てきた。いくら氷。二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。彼女。血のハーモニーが、手を二等分に陣取るのが好きだ。皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」
さてさて、これを推敲するということだが。
(えっなにこの文章いみわかんない)
■文章の方向性を定める
普段は勝手に定まっているものだが、文章には「はじまり」と「おわり」があり、またいくつかの要素がある。その一連の流れを定めておけば、推敲するうえでぶれにくくなる。文章を書き上げてからプロットを作っているような印象だろうか。
(1)舞台を決める
方向性を決めるうえで、まず、具体性の高い単語を探してみる。本文を見たところ、「二〇一一年」「クリスマス」というふたつの単語が、この曖昧な文章のなかでは意味の捉えやすい言葉に思う。このふたつにならって、時間的背景を「二〇一一年のクリスマス」とする。次にまた本文を見てみると、「クレーター」 という単語がある。クレーターとは「火山噴火や隕石などで環形にくぼんだ地形のこと」だ。本文には「クレーターは言った」と書かれているため、クレーターが登場できる舞台が必要かと思われる。少なくとも地面は必要だ。地球や月や火星などのように地上がある星が舞台だ。ここでは便宜的に、空間的背景を「月」 とする。したがって時間的空間的を合わせて、本文の背景は「二〇一一年クリスマスの月面」ということになる。これで舞台が決まった。
(2)
登場人物を決める 失敗
ストーリーが進むには基本的に登場人物が必要だ。今度は本文から、登場人物となりえる単語を探す。「クレーターは言った」とあるので、おそらく「クレー ター」は登場人物だろう。地形そのものを生命体とみなすガイア的ななにかだろうか。あるいは「クレーターは現状を物語っている」というような擬人法かもしれない。「彼女」という代名詞も窺える。また、「思い出せない」「好きだ」などの主体が誰なのか、ということもある。「ヒトが這い出てきた」という叙述も見受けられる。登場人物になりえる要素が多く、そう簡単には決めがたい。
(2)′ストーリーを決める
登場人物を決めるにはまずストーリを決める必要があるらしい。本文から汲み取っても埒があかないため、(1)で決めた舞台をもとに、ストーリーを展開し ていく。「二〇一一年」といえば震災があげられる。また、その一週間後にはスーパームーンがあり、12月には皆既月食があった。「二〇一一年」「クリスマ ス」「月」をすべて満たしているのは、この皆既月食だろう。そこで勝手に設定を考えた。時は二〇一一年、12月。この年の3月に日本で大きな震災があり、それにつらなる災害から避難しようと日本列島を出る者があった。多くは海外へ移住するが、ことに、一部の人間は月へと避難した。月に移り住んだ人間たちは 奔走し続けながらも生活し、もうすぐ移住後はじめてのクリスマスを迎えようとしていた。彼らは地球とも連絡を続け、互いに様子を確かめ合っていたが、ある日、皆既月食が訪れる。その数分間は地球との交信が途絶え、月は孤独な星となる。そのとき、クレーターが意識を目覚めさせた。本文はその様子を描いたもの である。
……なとと、設定を捏ねくってみたものの。これをバックに敷いて、推敲を施してみる。なお、この「方向性」というものは作者的な背景にすぎず、この設定を本文に叙述する必要はない。あくまでも指針である。
■文や単語の順番を入れ替える。
「離せなくても良い頃のような何か。味という思い出せない首はおかしい。辛辣なクレーターは言った。いなかった、まるでもうなかったのだ、考えなくとも。 あると思うもうまで微妙なのだ。本来動かないヒトが這い出てきた。いくら氷。二〇一一年、捉え様では久々に、過ぎてしていた。彼女。血のハーモニーが、手 を二等分に陣取るのが好きだ。皆無で一組も生き残ってブラッククリスマスをきっと飲み込んだ。」
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と、いうところで文章は途切れている。テキストの更新日付は4月1日。それから中途なまま放置していたわけだ。とりあえずここに載せておくとして、その3はいつ載せられることやら……。
でもこれ面白そう、と読み返してみて思うのだった(汗)。
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