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2017年に観た映画の雑感まとめ

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 小伏が2017年に観た映画の雑感集です。観た当日に書いた短い感想を一部手直ししてまとめています。常態敬体混み混みしてますが気にしないでね。
 雑感によって、ネタバレを含むものと、含まないものがあります。

 まずはネタバレを含まない雑感から。

「君の名は。」
 込み入った展開をここまでわかりやすく見せたのがすごい。状況説明のための台詞をくどいまでにふんだんに用いているのが印象的でした。視点変換も多いようで最少にとどめているように感じます。口噛み酒や組紐など小道具に無駄がないのも良し。
 音楽挿入のタイミングがまるでPV。音楽が主たる音楽であって、BGMではない感じが強かったですね。その分エピソードの省略に違和感をいだかせないことに成功していて、なるほどという感じ。どこかの打ち上げ花火は見習ってほしい。


「ポッピンQ」
 他の作品を挙げるのも失礼かもしれないですが、プリキュアとアイカツとおジャ魔女どれみを合わせたような作品でした。それなりに楽しい映画ではありましたが、ラストの続編予告が台無し。


「傷物語III〈冷血篇〉」
 忍野メメの解決策を聞いているときのハートアンダーブレードの表情がとても良かった。


「沈黙 - サイレンス -」
 心に刺さる良い映画だった。沈黙の信仰と、神の沈黙。
 パライソに“今”行けるという信徒たちとの話が印象的。井上が「キリスト教はこの国では姿を変えた」と言っていたが、それを含んだ発言だったように感じる。キチジローがつばを吐きかけるシーンで、井上が目をそむけたのも印象に残る。彼にも何らかの「沈黙」があったのかもしれない。
 リーアム・ニーソンが好きです。


「ラ・ラ・ランド」(字幕)
 映像美がありました。


「名探偵コナン から紅のラブレター」
 やっぱ映画は爆発でしょって気概を感じられて好きです。


「ハードコア」(字幕)
 めちゃくちゃ面白かった!!
 全編一人称カメラで進むアクションに次ぐアクションに次ぐアクション。壁によじ登ったり車の下に隠れたり乗馬したりと、一人称カメラという手法を活かす展開になっていて、映像に入り込んでしまう作品でした。
 人がこれでもかと死ぬのも楽しい。死に方もバリエーションがあって良かったです。リードで飼い主の腕(だけ)を引いて歩いている犬とか面白かった。
 ラスボスとの戦い方も素晴らしい。人には目が二つあるということを一人称で実感できるとは。
 あとこれ音楽笑うでしょ。ほんとずるい。めちゃくちゃ面白かったです。



 次からは多少のネタバレを含む雑感です。
 雑感同士の間隔を開けておきますので、ネタバレを食らいたくない!という方は、以下のリンクから個別にご覧ください。
「美しい星」
「ライフ」
「新感染」
「ダンケルク」
「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」
「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」









「美しい星」
 小伏は「美しい星」から多大な影響を受けていまして、それがまさか今になって映画化されるということで、答え合わせのつもりで観に行きました。
 SF寄り→現実寄り→SF寄り→……と幻想と現実を繰り返し行き来して描かれていて、自分の求めていた「美しい星」像そのものでとても嬉しかった。「作詞も作曲もあたしですけど!」の破壊力ですよね。
 この認識のズレこそが、自分自身もSFで書き続けてきたことなので、この映画を見て強く背中を押された気分でした。
 BGMも素晴らしく、電子音の使い方が完璧。出演者による「金星」のカバーもとても良かったです。
「妻」(母)が小説と大きく異なり、最後まで地球人だった。観客との距離感を測るうえで、それが映画として最良の見せ方なのだろう、と思います。最後まで観客(地球人)の視点を残した英断。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ライフ」(字幕)
 宇宙ホラー。とても楽しい映画だった。
 途中までは上質なパニックホラー。「一人ずつ死んでいく」という王道的展開と、無重力空間のカメラワークが非常にマッチしていて面白い。
 途中からは大仰なBGMと無駄に派手な演出(あれがこわれるところ)が折り重なり、興ざめする面はあったが、オチが素晴らしかったので、終わりよければすべて良し!
 細胞ひとつひとつが独立して生きており、それらが協力して一個体を形成しているという説明が序盤にあったが、その設定が活かされなかったのが少し残念。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「新感染」(字幕)
 スアンの歌で終わらせる構成が完璧。人間ドラマとしてここまで完成されたゾンビ映画がかつてあっただろうか。
 登場人物に無駄がない。必要なくなったキャラは容赦なく死なせる。モブに生きる価値はないとばかりのシナリオの決まりの良さ。ドアを開けるおばあさんは鳥肌ものでした。あとマ・ドンソク演じるおっさん格好良かった。
 映像としてはゾンビの波がすごい。波としか表現できないほど走るし、ぶつかって上に膨れ上がる。すごい迫力でした。





 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ダンケルク」(字幕)
 砂浜組の三人が顔が可愛くて好き。
 ラスト、ドイツ兵に捕えられた選択には生きようという意思が感じられてとても良かった。燃やしたのも格好いい。
 時系列をいじったのも面白い点だったと思います。
 ただ、新聞紙というガジェットを用いてドキュメンタリ風味を増長させたのはちょっと解せない。しかしエンタメ要素としての必要悪ではあるのかもしれないですね。イギリス万歳。
 ほか、BGMに大いに不満。キャラ配置に多少の不満。
 でもねえやっぱり顔がいいわ。しゅき。Philippe Hugo Guilletにはうおおーってなりました(ツイッターの話)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」
 岩井俊二版からの取捨選択ができていない。中学生という設定にしたのに、それが活かされていないどころか、足かせになっている。16歳発言や電柱を蹴るシーンなど、岩井版では小学生だからこそ映えた言動を、今回中学生が一字一句そのまま放っているのは、非常にバランスが悪い。
 そのうえで中学生らしさを入れたかったのだろう、岩井版では薄かったリビドーも強く描かれているので、一層にちぐはぐになっている。
 というかなぜ泳ぐとき服を脱いだのか? 岩井版のあの服を着たままプールに飛び込む省みなさが素晴らしかったのに。
 主人公の「え」「あ」という声の連続もちょっと……。
 SF的にも面白みがない。「ifもしも」へのリスペクトは感じるが、雰囲気系と評するより他ない展開。父親に玉を持たせたのも花火師に拾わせるために砂浜に落ちていた経緯も説得力がなく、違和感が大きい。
 楽曲「Forever Friends」も「打上花火」も、個々の音楽は良いものだったが、使うタイミングが駄目。いくら音楽が良くても映像とのタイミングが合っていないと、意味がないのだなと思う限りだった。
 総じて中途半端な映画でした。

細かな良い点
・オープニングで黒い背景に黒い文字を載せ、花火の光によって文字を読ませる演出。美しい。
・スラムダンク→ワンピースなどのような、岩井版との差異(時流)を感じさせる小ネタは追っていて面白かった。
・封筒ではなく便箋にしたところに、機能不全家族のゆがみを感じる。
・泳ぐシーンをプールから海に変更したのは、海で目を開けることの困難さや波のあまりの穏やかさに強い違和感をおぼえたが、後のシーンで水中で会話を始めたので、一周回って良い演出になった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(字幕)
 100分という短い中に、大長編ファンタジーを過不足なく納めている快作。折り紙や三味線、灯篭流しといった和風小道具が綺麗に利いているのも素晴らしい。三味線を弾くと折り紙が動き出すのですが、これがね、見ててすごく楽しい。序盤のクボの語りからとても好きでした。
 ラストのあれはなんというか、信仰の向きが逆なんだなって思います。聖書的受肉み。「物語」を信じた者が救われた状態にあるというのも、肉体から解放された存在が肉体を得るのも、どことなく聖書的。色眼鏡かもしれませんが、この聖書的な面と、物語の和風な面が同居しているのが面白かったです。意外とないんですのよこういうの。
 安部公房みもあった。シュルレアリスムではなく、安部公房み。ひとえにサルと虫のせい。

 あとやはりなんといっても、映像がすごかったです。ストップモーションなのに動く動く動く。そのうえでストップモーション特有のがたっとした動きも残っている。
 時間が許せば吹き替え版も観たかった……。雪のところどう訳しているのか気になりますね。



 以上です。
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小伏史央(こぶせふみお)

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